鮎解禁釣行紀
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一匹の郡上鮎解禁釣行記
 04,6,17
 14日月曜日の朝9時天気快晴、ワンボックスカーに6人が乗り名古屋高速から名神経由で東海北陸道郡上ICまで、はやる気持ちを抑えて1時間20分。本流は少し濁りがあり水の澄む支流の吉田川に若鮎のように迷いなく進む。名だたるポイントに車を止めると、どこでも4〜5人の下見顔の人が恋人のような眼差しで川を眺め、場所取りの竹などを岸に立てていた。4人を待たせて太公望二人があーでもない、こーでもないと名人きどり。  
 濁りはないものの水位は20センチ高。以前に釣れた上津原堰堤下の中トロ場に決定、鮎たびに履き替え中洲に渡り持参した場所取り用テントを張る。待ち人四人は昼時の空腹をこらえてあきれ顔で眺めていた。終わって空腹を満たしてから白鳥へ行き白山公園でテニスを楽しみ帰路大和温泉に入り宿に着いたのは17時半、夕食を済ませてしばらく鮎談義「鮎宿の前夜は名人ばかりなる」目覚ましを3時に合わせ早々と就寝。1時に目が覚めてしまい3時前に懐中電気で庭を通り車まで辿り着く。村道を走ると所所のおとり屋は明かりが灯り車と人の出入りがあり、名人二人は昨日に場所を押さえた判断をお互いに納得。めざすおとり屋は車が二台止まり、座敷では男どもが酒盛りしていた。
 身支度しておとりを買い真っ暗な川を懐中電気の明かりで渡る。水が冷たく真冬のように寒い。釣り解禁 河鹿を聞きて 夜明け待つ4時ごろ白々と明るくなり陽が差すまで釣れないだろうと思いながら仕掛けを付けて5時ごろから釣りだす。この予想は外れて陽が差した9時以降も釣れなかった。「失笑」10時まで師匠が一匹、私はゼロ。釣り人は上に一人、下に三人だが誰も竿は立たず、上の一人は帰り下の三人は竿を置いて食事を始めた。前日に橋の上から観察した時に鮎の姿を確認できなかったことを思い出して本流の白鳥へ行くことに決定。人気の無い中州で寂しくテントをたたむ。おとりを一匹づつ買い足して牛道川合流点下の越佐橋下に入る。釣り人は瀬の両側にびっしりで、水温は温かくポツポツ釣れている。気を取り直して私は下の中トロで一匹、師匠は上の瀬肩で4時間粘って四匹15時にギブアップ。八幡散策中の四人を拾い子宝温泉に入り足どりの重い帰路につく。写真は吉田川初納あたり
 
            反省点             @初期に水温の低い支流のしかも上流へ行ったこと。また日当りが悪い場で9時まで川に陽が差さない。初期は朝陽、夕日のあたる開けた場所を選ぶ。                                             A---水温計を持参しなかった。おそらく5〜6度で鮎が活動する15度を大きく下まわる。B橋からの観察で名人二人が魚影を確認できなかったのにそれを重く受け止めなかった。写真のような川相の美しさと場所取る人の多さに目を奪われて上の空という感じだった。C鮎の供給源となる淵が近くにあるか。D好きなトロ瀬で風流に「鳴くまで待とうホトトギス」では釣れない。こんな場所に?と思うようなチャラチャラの瀬や荒瀬にもこまめに挑戦する。E先輩の定説「朝瀬 昼トロ 夕のぼり」「初期は瀬、終盤は淵」を重視、


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   私のセオリー                                                 支流は景色も川も美しく入川するなら「初期は夕方の瀬、終盤は夕方の淵」解禁日は「4〜50匹は釣れるだろう」と誇大妄想をしない。甘い甘い。恥ずかしながらこんなお粗末な結末でした。しかし逆に言えば鮎釣りは失敗が多くて難しいから面白い。これは痩せ我慢ではなく真理です。今度出かけるときはこれらの反省点を生かして挑戦しようと考えられるからです。環境エンリッチメントとして趣味を持つことは人の健康な精神になくてはならないものです。私には一匹に代えがたい価値を持っています。なぜなら当サイト「理容人生」の趣味「水墨画、水彩画、俳句、エッセイ、陶器」と、このホームページの創作の動機は全て鮎釣りで得た人生観、自然観が原点です。河鹿やひぐらしの棲む清流と鳴き声を見聞し、霧にかすむ山河や雷雨、川辺に咲く野花と蛇やいたち、鳶、白鷺、小動物との出会いのなかで、小さな人間の儚さと侘びと寂びの境地まで得がたい体験ができた母なる自然であった。 一匹でも鮎釣りのできる幸せに感謝しましょう。寝たきりの人や身障者と比べれば生物が躍動する初夏の自然の中で俳句をひねりながらおにぎりを食べられるんだから。
                   
山里の 草木に夏の 陽は匂ふ 釣れぬ日は 合掌して食ふ おとり鮎 水澄めば 石くろぐろと 鮎光る
悠久の 流れを掠め 河鹿鳴く   迷人は 祭り気分で 鮎解禁 鮎竿を 置いて野花と 五七五