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Welcome to a haiku life
 私の好きな古人の俳句

    
 
  俳句をひねり始めて10年近くなり、この間の先輩、句友、古人たちが作られた句の中から私の心に響く好きな句集を作りました。人間がこの世で生を営む時にさまざまな感慨、思い、喜怒哀楽味わいますが、俳句はそれを簡潔に表現した日本独特の文化で、また日本人の自然観、情感、美的感性の所産物です。

 選句はいずれも一般的に使われている漢字を用いた平易な作品ばかりですが「この点が一番大切だと思います」素直に心に滲みる名句ばかりです。 2003,11


壁紙は2007.6.鶴舞公園の蓮池で撮った水すまし
 
私の俳句 俳句の勧め  03年以降の句  .俳画&俳写真  
 
     
 杉苔を 敷きて千両 実を散らす        
堂出でて 直ぐ現し世の 蝉しぐれ
己が血の 温みたしかむ 懐手
鷺草の 一鉢置いて より夜風
父母の亡き 裏口開けて 枯れ木山
流し雛 堰落つる時 立ちにけり
美しき 緑走れり 夏料理
盆の月 背伸びして猫 闇に消ゆ
この道や 行く人なしに 秋の暮れ
白露の 無分別なる 置き所
初富士を 右に左に 浦つたひ
笠一つ したたる山の 中を行く
春雨や 抜け出たままの 夜着の穴
母の日に 母の帯締む 齢なり
野遊びの つもりが頂上 めざしけり
曇り来し こんぶ置き場の 野菊かな
流れゆく だいこんの葉の 速さかな
じだらくに 寝れば涼しき 夕べかな
薫風や 城址といえど 石ひとつ
包丁の 光を返す 初鰹
早々と 雨戸繰り出す 夜寒かな
残菊を 括り直して 香をたたす
囀りを こぼさじと抱く 大樹かな
つぐみ死に 羽拡ぐるに 任せたり
落ち葉焚き 禅僧空を あたたむる
寺山に 住めば狸も 仏の子
柏手に 飛び立つ宮の 寒雀
かなかなに 日暮れ残して 山をりぬ
一人と 帳面につく 夜寒かな
朝顔に 雨戸すかして 二度寝かや
初暦 知らぬ月日の 美しく
おん柱 立ちて五月の 八ヶ岳
海に出て 木枯らし帰る 所なし
菜畑に 花見顔なる 雀かな
生け終えて 一壷梅と なりにけり
コスモスを 離れし蝶に 谷深し
野仏の のどをくすぐる 紅葉影
夕月や 畳の上に 杉の影 
囀りや 村に一軒 理髪の灯
棹伏せて 舟すべり入る 茂みかな
鮎錆びて 奥美濃風の 音ばかり
源流は 親樹の雫 岩走る
遠山に 日の当たりたる 枯野かな
狸寝の わらひ出したる 雑魚寝かな
夏草や 兵どもの 夢のあと
橋上に 顔ひしめかし 花火待つ 
髪切虫 宙に文字描く ひげの先
つながれて 昼の鵜船の 所在なさ
万緑の 中や吾子の歯 生えそむる
女若く 菖蒲切るにも 膝まげず
寺の庭 落款のごと 椿落つ
柿一つ 大きく描き 信濃人
緋鯉には 見えず映れる まんじゅしゃげ
若鮎の 二手になりて 上りけり
落花枝に 帰るとみれば 胡蝶かな
化けそうな 傘貸す寺の しぐれかな
桐一葉 日当たりながら 落ちにけり
秋の暮れ しびん泉の 音をなす
長波を 以って音なし 夏の海
昼見れば 首筋赤き ホタルかな
鮎錆びて 河原に風の 波ばかり 拙句
葱うめて 土黒々と 女の目
冬すすき 風に吹かるる 他はなし
色あせて 秋風さわぐ 千羽鶴
すれ違う 水着少女に 樹の匂い
冬菊の まとうはおのが 光のみ
寺普請 盆の法話に ちらと出し
雪だるま 泣き出しそうな 日和かな
朝市に 燕がこぼす 飛騨の土
夏川を 越すうれしさよ 手にぞうり
五月雨や 大河を前に 家二軒  
逆縁の 子にはたずなを 茄子の馬
放虫屁 おろかなりとは 言ひがたき
菊人形 遊女の帯の まだ蕾
兄妹の 相睦みけり 彼岸すぎ
遅き春 迎ふ一村 動きだす
椋鳥の ねぐら争う 鎌の月
叱らるる 子の手に光る 蛍かな
試歩の影 遅遅とつき来る 春日和
水の面と 知らず落花の 動くまで
淋しさに 飯を食ふなり 秋の風
白露の こぼさぬ萩の うねりかな
節分を 明日に星の 出揃ひし
白樺の 咲くとは知らず 岳を見る
焚き火跡 丸く残して 草萌ゆる
羽割って てんとう虫の 飛びいづる


句集は自然と人間のユーモアとペーソス、また対照的悠久な営みがしみじみと感じられ、また作者と共鳴して句集としての余情を深め人生を感嘆詞に変えていく。
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