「昔の水郷 蟹江」製作の手順 「最下の3枚の写真を参考にしました」 |
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水彩画用紙はORION社のシリウス「SIRIUS DR-F6」
無垢な白い紙が水貼りされると貼られた紙が「早く描け」と訴えているようでこころがうずきます。
@この絵は春かすみの季節で陰影を少なくして、ハイライト部分のマスキングは少しです。「見にくいですが青い部分がマスキングを施した」
A塗ったマスキング液が乾いたら |
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B広範囲に塗る部分「空や水面」を霧吹き等で濡らします。
C濡らした部分の水分が均一に行き渡るのを少し待つ。
D待つ間に写真のように塗る部分の色を多めに作っておく。 |
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E空の部分を大筆で一気に塗る。
色むらがあっても馴染んできます。
Fこの場合に手前に山や建物などの輪郭がはっきりするものがある場合は、パネルを逆さまにして筆先「書道の筆がよい」で輪郭をなぞりながら空を塗ると、はみ出したりの失敗がない。
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G水面も同じようにパネルの角度を変えながら塗ります。
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H海綿で雲の部分を色抜きします。
I家屋と桟橋を描く。
この場合は定規で引いたような正確な線は描かない。書道で言う「崩す」「はみ出す、にじむ」が良い。
この感覚は重要で、絵画は写真ではないことと、作者が何かを訴えるために
”手描き”したものものであることを忘れない。「人それぞれの好みですが、、、」 |
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J水平線の建物、鉄柱などは省略。
「省略と誇張」はArtの原点。
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Kここまで塗り込めば塗った部分の乾燥を待ってマスキング液を指先でこすって剥がします。
L剥がしたらその部分「ハイライト部分」に彩色。右手前の白い部分、下地が白ですから発色はそのものです。
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M鳥を描いて完成。ただし一週間ほど毎日ながめて余情、長閑、平和、などに反す部分を見つけて修正。「正確になり過ぎないよう注意」
N署名します。
O題名を「昔の水郷 蟹江」とつける。
年数にして昭和何年ごろの風景でしょうか。
Pこの作品は日本のシンボル「水彩、富士山と桜」にUPしました。 |
参考にした写真 |
@R1号の蟹江大橋東あたりの水郷?
川は善太川?
近づくとひどい汚れでとても写生する気になれず、昔の風景を想像しながら高圧線の鉄柱や建物を省略して描く。
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@国道の橋下にいた釣り人を斜めにして、、、
09年3月撮影
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09年4月7日の鶴舞公園の竜ヶ池の鳥。
私はパソコン内に「絵画参考写真」というフォルダをつくり、さらにその中には「建物」「動物」「人物」「花」などのフォルダをつくり、さらに例えば「動物」のフォルダには「ペット」「鳥」「その他の動物」というふうに分けて、それぞれの写真を保存して、水彩画の参考にしています。 |
マスキングの手順 |
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モチーフによってはマスキングは重要な創作手段になります。例えば左の蓮池などの作品は蓮の葉をマスキングすることで、水面に写る樹木や草などを自由に描くことができます。
油絵や日本画は重ね塗りできますが、水彩の鮮やかな色はマスクを被せたほうが良いでしょう。
○写真は水面に浮かぶ蓮の葉だけマスクを剥がした状態。上の茂った草の部分は剥がしてない。 |
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剥がした蓮の葉に色を載せます。
○写真下側に樹木の影が映っています。上部の草の茂みの後ろに樹木が並んでいることで、この状態で描きこまないといけません。
○黒くて太い木を描くために上部に描きこんだ草をマスキングして被います。 |
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そのマスキング液が乾いてから樹木を描いて、さらに樹木が乾いたらマスキンギ液を指先でなぞって剥がし、色を載せた状態です。
○場合によっては雰囲気をつかんでから、途中でマスキングをすることがあります。「明るい色にのみ可能」
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ほぼ完成しましたが、草の茂みの下部ほど密集して影が濃くなります。そうした場合は水を含ませた写真のような書道筆で、先端に濃い色を付けて写真の角度で塗ると、末広がりに広がる草の根元に微妙な濃淡の影が描けます。「筆のお腹の辺りは淡彩で、先端は細くて鋭く濃い色の状態」 |