基本的な水彩技法 これらの知識と技術からスタートです。 |
水張りの方法
と剥がしかた
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パネルに水彩画紙を張り水を充分使える状態「たわわない」にすること。面倒な人は水彩画の四隅をのり付けした「ブロック」紙を買ってもよい。
水張りは面倒ですが、真っ白な画用紙がパリッと張られていると、早く筆をおろしてほしいと画用紙が作者に訴えているような気がする。描く前のこの清清しい気持は大切です。
ただし名の通った高価な画用紙は水貼りしなくても耐えられます。私の用いる「キャンソン」もモチーフによっては水貼りは不要です。
[剥がしかた]
ペーパーナイフで完成作品を切り離したときに、パネル板にテープが残りますが、水でテープ部分を塗らしてから時間を置いて柔らかすれば、ヘラのような道具で板の目に沿って簡単に掻き落とせます。「ガラスに貼られたカッテングシートを剥がす道具がホームセンターに売っている」
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ウエット・オン・ウエット
重要 |
水彩画の特徴がだせる技術で紙が濡れているうちに濡らした筆で色を置く描き方。紙の濡れ加減と筆の濡れ加減は非常に大切で、同じくらいの乾き加減で少し乾いたころに色をつけた筆を乗せるように彩色する。その後はあまり触れないで自然乾燥を待つ。想定外の面白い効果がでる。。 |
ドライアンドウエット |
濡れた紙に水切りした筆で描くこと。硬い乾燥のイメージがでるが、わりと思い通りに描ける技。彩色後はあまり触れない。触れると汚い作品になる。 |
ウオッシュ |
多めな水で溶いた色で広い範囲を塗る。空や水面は風景画にとって重要で、グラデーションをつくりやすい。またはきれいな水で塗ること。濡れた上に絵具を置く。凸凹が大きい荒目タイプはウオッシュすると色乗りがよい。 |
ドライブラシ |
乾いたブラシでこすれるような彩色。強いイメージをつくります。「アンドリュウワイエス」 |
色の3原色 |
黄色、赤、青の3色でそれぞれ混色して橙、紫、緑の2次色となる。合計の6色の隣合う色を混色するとさらに6色=合計12色の一般的な「12色環」となる。 |
混色重要 |
基本的には二つの色の混色のことで正しい知識ががないと水彩の命とも言える色の鮮やかさを失うことになる。3原色の明度などの基本と2色混色のカラーチャート「色見表」を作っておくと便利。
作品がなんとなく汚れた感じに陥るのは混色のミスの場合が多いから、そのつど別の紙に試し塗りが必要。
また混色は一般的には彩度が落ちますが、混色でより明るくなる赤があります。オペラ+カドニゥムレットオレンジ。
混色は新たな色づくりだけでなく、水加減により明度彩度を調整できる。
果物の色は難しくて柿の色なども原色にはありませんが、混色表から探すと複数が使えそうですね!。愛用する画用紙で混色表をつくり座右に置くことをお勧めします。
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着色 |
原則として空などの遠くからウオッシュして着色する。平筆で左から右に塗りそのまま元に戻るように塗り、次第に前にくる。
例えば手前に山がある場合は空の部分を山の輪郭線までウオッシュしたのち着色する。「この場合は逆さまにして山の輪郭線から着色すると空色がはみ出ない」
そして次に山の部分をウオッシュして同じように着色していく。 |
下地重要 |
水彩画の色の鮮やかさは彩度の高い明るい色で下地を塗ることから始まると言っても過言ではありません。下地が乾いてから少しずつ濃い目の同色系で陰影と変化をつくります。「明るい下地は明るさを生かすことができるが、暗い下地はあとから明るい色は使えなくなる。修正が効かない、汚れる原因」
対象をしっかり眺めると花は花の、葉は葉のなかに最も明るい色が存在します。その色を発見して生かすことが作品を鮮やかにします。水彩画の特徴として重要なことです。
さらにハイライトは紙の白を生かして塗る。ウエットオンウエットと同じ水彩画の重要な技。乾いてから塗るか濡れていて塗るかはかなり違ったイメージになります。
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下地の意味は明るくさわやかな部分を残して活かすこと。 |
下地に明るい色を使い小技は軒下の台車をマスキングした。 |
暖色系と寒色系 |
黄を頂点として左下に赤、右下に青の三角形「色の三原色」ができ、それぞれ隣同士と混色すると橙、緑、紫の二次色ができて合計六色の色環ができます。色環の頂点の黄の対面にある真下の紫にかけて、左半分が暖色系で暖かい陽の当たる明るい場所、右半分が寒色系になり影や暗い場所に使います。
明度は色環の下にいくほど暗く上ほど明るい。
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補色 |
12色環の向かいあう色同士を補色関係と言い、並べるとお互いの色が引き立ちます。目立たさせる場合に効果的。
また補色同士の混色は見栄えのする濁りにくくグレーになる。 |
明るさ明度 |
明度は色の明るさ「光の反射光」のこと。モノクロで言う濃淡明暗で、さらにこの色環の上ほど明度は明るく下ほど暗くなります。白がもっとも明るく「高く」黒が暗く「低く」なるから、画用紙の白はもつとも明るい部分に利用できる。明度を上げることはどのようなカラフルな色も白になり下げると最後には黒になる。白と黒とその間にあるグレーは色相と彩度のない、明度の差だけを感じる無彩色。また明るいカラーが必ずしも明度は高くない。
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彩度 |
水彩の命である鮮やかさの度合い。彩度を上げればカラフルに、下げればカラーが無くなり白黒になる。同系列の色でも彩度の高い低いがある。一般的に混色すると彩度は落ちる「低く薄くなる」
高い順。
黄系@レモンイエローAカドニウムイエロディーブBイエローオーカー
赤系@オペラAカドニウムレットディーブBローズマダー
緑系@パーマネントグリーンNO1AサップグリーンBビリジャンヒュー
青系@ウルトラマリンディーブAコバルトブルーBピーコックブルー
橙系@ブリリアントオレンジAジューンブリアンNO2
紫系@パーマネントバイオレット
彩度は明るさではなく色の明確さ鮮やかさで、青系絵の具で理解しやすい。
カラフル過ぎると情感を失うこともあり、混色でつくる渋い色は絵を落ち着かせる効果もある
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重色
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色を塗り重ねること。前の色が乾いたら塗ると清清しい水彩画らしい透明感がでる。下地は薄く単色で彩度の高い色を塗り、少しづつ濃い色を重ねていく。このときの濃い色は混色により味のある色がつくれるかどうかが作品の風合いを決定する。茂みなどは初めに明るく次第に暗い色を重ねると立体感がでるが塗りすぎは厳禁。
秋の茂みを観察すると相当な色の種類が混じります。
例えばレモンイエロー、パーマネントイエロディーブ、イエロウオーカ、パーマネントイエログリーンNO1、クレムリンレーキ、オリーブグリーン、ローシェンナー、カドニウムレットオレンジ等々、その上水加減にもより色の百貨店ほどあります。
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黒の代用色 |
影になる部分は黒よりペイニーズグレイの方が柔らか味がでる。影は厳密には黒ではなく、その色の濃い色を使うべき。黒を使い過ぎると鮮やかさを失う。 |
セピアの混色 |
レンガや古い壺はセピアを混色して使う。セピアは乾くとざらざらした感じが出る。 |
色づくり技法 |
色づくりは@単色の水加減(濃淡)A下地からの重ね塗りB混色がありますが、いづれも重要な技法です。
草花を描くときは同系色の少し濃い色で輪郭をとると花の鮮やかさが浮き出ます。輪郭ははっきり分からないような濃さがポイントで、そのためには混色の知識が必要ですが、プロも教えたがらない隠し味の技です。
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白の活用 |
陰影のある建物などの明るい部分は塗り残しますが、ときには塗り残した白い部分ににカドニゥウムイエローオレンジを均一に塗ると、日当たりがさらに明るくなり効果的です。 |
その他の技法と知識 |
目立ちの真理 |
ある部分を引き立たせるためには他を引き立たせない。その部分をぼかしたりにじませると引き立ちます。一般的には手前ははっきりと描き遠くは霞ませると濃淡で変化を与えられて手前が引き立ちましす。
また水彩画は描き過ぎると作品が汚れた感じになります。そうしたタッチ、風合いを求める場合は別ですが、特徴である爽やかな色彩から程遠くなります。全体が黒々して目立ちの真理も崩れていますので、シャワー水で作品を部分的に流すこともテクニックです。濃淡ができて少し風通しがよくなり爽快感が戻ります。
絵画はさまざまなタッチがありますが、とりあえず習い始めは水彩の特徴をだしましよう。
作品が7分ぐらい完成したときに手本や題材から離れて自作と向き合います。最後まで台本に向いていたら個性がでません。正確な模写ではなく手描きの味わいや個性に拘るには自作だけを見つめる時間が必要。
京都清水あたりの作品で上が未修正、下が水シャワーで修正した作品。個人の好みは様々ですが水彩画でも修正はできます。
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スクラッチング |
釘やカッターナイフで紙面を削って荒さをだす。さざなみなども効果的。 |
スプラッタリング(散布) |
歯ブラシなどの硬いブラシに溶いた絵の具をつけて指で弾いて飛まつをつける。レンガや陶器などのザラザラ感がでる。または左手に持った水彩筆の背に、右手の色づけした筆で叩いて散布する。
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コンポーズ |
発色鮮明、退色少ない、透明性高い。 |
バックラン(にじみ) |
バックラン(にじみ)に困ることがあるが、水彩画らしい特徴を出せる。 |
グリッド |
下絵のデッサンに基本となる縦横等間隔の線を描いて寸法を採る。 |
ふき取り |
ふき取りも水彩画の特徴を出せる技で乾かないうちにテッシュ、布、海綿、筆、綿棒などでふき取る。木陰のハイライト部分や雲、水面の影の写りなど。「乾いてからも可能」
またふき取りと重ね塗りを繰り返すと深みのある色がでるが、汚れやすいことに注意。
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流し取り |
当初の思いとは逆にくだらない作品になってしまうことがあります。原因の大部分は「描き過ぎ」によって写実的になり作品をつまらなくします。題材的には逆光の構図で影の部分の描き過ぎ「汚れ」が多い。混色した色の不適格に注意。
その場合は海綿を使って描き過ぎた部分を水で流し取ることができます。ポイントとなる部分を残して完全には落ちませんが作品が明るくなり、まさに一新した水彩画らしい状態になりますので、そこからウエットオンウエットに留意して色をのせていくと、なんとか水彩の良さが出せます。
こうして再生させた作品が多く存在しますが、水彩の特徴の一つです。
表が汚れて裏側でも描けますが、良い紙は遜色なく描けます。
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グリザイユ |
ものの影や傷、古い壁などの痛んだ部分をあらかじめ塗っておく。そのあとで本体部分を塗るとリアルになる。本体が赤なら赤系の影、茶なら茶系の陰を作って塗る。
樹木なども暗い部分をグリーン系でつくり先に塗ると、あとは明るい部分と影の部分とを緑で簡単に塗れて陰影がリアル。
影の濃い薄いは水加減があり変化をつける。
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水墨画の精神性 |
筆を加えすぎない。水墨画の「筆を惜しむ精神」は水彩画にも必要。色の鮮やかさを保ちながらぼかしを適切に使えば、Artの真髄である「余情」を深めます。
また電柱や家屋を真っ直ぐに線引きしたような正確さも、余情を損なう筆の加えすぎになります。俳句の「言い過ぎ」「説明のし過ぎ」も余情を損なう愚行とされているのと同じ意味です。
思うようにいかないと、修正するためつい筆を加えてるが、たいていは濁って失敗する。海綿で一度クリアにして、乾燥してから慎重に色を載せる。
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テンペラ
- Wikipedia |
乳濁液を水と絵具「油性」との媒剤とする絵具 |
秘密の技 |
〇ガラスの器、水槽、プラの容器などは光が無秩序に反射して焦点が合わず、描写が難しいが片目で観察すれば捉えやすい。単眼は焦点が合う。
〇池に写る逆さ富士はそんなに難しくないが、寺や塔はトレーシングペーパーでトレースをしてから裏返して、間にカーボン紙を差し込んでなぞれば簡単。
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水彩道具○印は必須の道具 |
水彩絵の具○
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一般には透明水彩絵具を使う。不透明「ガッシュ」もある
ホルベイン、12色3,465円24色4,356円30色5.005円ウインザー&ニュートン、ペリカン
外国「レンブラント(Rembrandt/蘭)24色セット、シミュンケ(Schmincke/独)、ラウニー(Rowney/英)、ウインザーニュートン(Winsor & Newton/英)、セヌリエ(Senneller/仏)、国産は安いが外国のものが発色が良い。」
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不透明水彩絵具
ガッシュ |
不透明だから上塗りができる。例えば線路の光の当たる部分や、前後の関係の手前の植物、枝葉の雪などを、マスキングしなくてもあとから上塗り可脳、。ただし爽やかな透明感はないので使い方に注意。同系列の透明絵具と混ぜても良い。花などはガッシュの白に透明水彩の赤を混ぜて、海綿を小さく花びら状に切り版を押すように塗る。「型押し」また枝などはガッシュの茶系を混ぜるとはっきりする。
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アクリル絵の具
不透明 |
水で溶いて使うが乾くと耐水性になる。キャンバス木の板などに油絵風に描く事もできて用途は広い。水彩画に部分的に使える。発色はいいので本来は看板描き。ラッカーなど塗料の類縁で速乾で鮮やかで耐水性に優れる。油性と水性あり。チューブ入り。
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ポスターカラー
不透明 |
水で溶きますが発色が良いので空や水面などに水彩と混ぜて使う人がいます。ただ透明水彩の良さを損なわないように。水での伸びがいいのでぼかしたりの技法も面白い。人物画や静物のバックを塗りつぶすには、水彩では斑になりやすいが、ポスタ^カラーなら斑にならない。
また白はハイライト部分にも利用できる。「マスキング液の代用」
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油性色鉛筆&蝋燭 |
油性は水をはじくので白などはマスキングの代用ができる。写真はダーマト油性色鉛筆260円一本。アクリル絵具やろうそくの蝋も同じ使い方可能。錆びた船や貨車などの錆に変化が出せるが、ただしマスキング液のように剥がしたあとに色は塗れません。
白は車のライト、金属のハイライト部分、道路の白いライン、人のシャツ、建物の手すり、柵、看板、など多い。12色セットで1100円ほど
子供が学校で使っていたような色鉛筆でも色数が多くて十分使える。「下の絵」
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パステル絵具 |
色の粉)を水性、油性の成型材で固めた歴史のある着色材料。油性はオイルパステルでクレヨンのように柔らかい。固いものがあるが手に付いたりするので完成したら定着剤が必要。油絵風な重厚な絵や水彩風な軽い絵など描ける。水彩には部分的に、またマスキング剤として使える。パステル鉛筆は固くて細い。色が鮮やかで部分的に水彩画に使える。ドガなどが使用。
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マスキング&
クリーナー
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ハイライトや夜景の灯り、茂みの光の当たっている部分などをはっくりさせたい部分をマスキング液であらかじめ描いておく。塗ったマスキングが乾いてから彩色し、彩色が乾いてからマスキングを指でこすって剥がす。この技法は重要で多くのプロがマスキング液で目立つ部分を下描きする。
ただし馴れてくると手前の草花を描く場合などに、書道筆のような筆先が細くなった筆で背景を塗り潰して、草花を浮き出させることも可能です。このテクニックはマスキングの手間が省けます。
また下地色の上からも塗ることも必要。
二つで1.000円前後で買えます。マスキング液は瓶とペンタイプがありますが、ペンタイプは塗るための筆や筆を洗うクリーナーは不要、細い線なども描けます。しかし少し油分が残り絵具の乗りが悪い。紙質の弱い画用紙は完全に乾燥後に剥がさない紙を痛めます。「800円ほど」
馴れるとマスキングをしない「塗り残し」で描けるので、なるべくマスキングは限定的に使うこと。
瓶入りは小筆で付けますが、付いたマスキング液を落とすクリーナーが必要。
また筆に石鹸水を付けて液を塗れば筆が固まらず紙に塗りやすやすい。
こうした知識を職人的と言えます。
ペンタイプ
マスキング液と油性鉛筆の違いは前者は剥がした部分の輪郭ははっきりしているが自由な色が塗れる。後者はかすれがあり輪郭はボケて自然だが新たな色は塗れない。船の手前のポールとオープンカフェの柱は白の色鉛筆使用。
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油性のクレヨンや色鉛筆でマスキングをした作品
植木、配線、手すり、ハイライト部分、自転車など。 |
使用した色鉛筆
白、薄緑、緑、赤、茶色、青、小学校で使うもので良い。
水彩画の爽やかな風合いを壊さないよう限定的に使う。また
色鉛筆の修正は色鉛筆でする。水では直らない。
プレゼン動画で効果を見る
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定着剤&保護剤 |
木炭、コンテ、パステルやクレヨンなどは粉末系なので、油性水性に限らず手に付いたりするので紙面に振りかけて、汚れないようカバーするための「定着液」が必要。スプレー式や水溶液がある。また画用紙に艶出ししたり痛まないようにする保護剤もある。トリパブ、フィキサチーフ 、メーカーはクサカベ、ホルベインでデザインコートとかクレヨンコートと呼ぶ場合もある。500〜1500円
マスキングの油性の色鉛筆は定着剤は必要ない。
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パレット○ |
持ち運びが楽なコンパクトで色数が多く載せられるもの。私のは20.5cm×17cmサイズで39色載ります。白い紙(コピー用紙など)を用いると色がよく分かるためパレットを用いないこともあります。。
詳細は 水彩画教室
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色見本 |
パレットに絵具を置くと固くなり水で薄めて塗った場合と色相が全く違うので、色見本が必要です。配列をパレットと同じにした色見本をつくりましょう。詳細は 水彩画教室 |
画用紙○ |
ぴんからきりまであるので水彩画紙の種類へ |
墨汁 |
墨にも青墨や茶系の墨があり竹ペンでの線描きや筆塗りの影などに使うと絵具で出せない面白い効果がでます。
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竹ペン |
電線や輪郭を線描きする場合に使用します。ただ線描きは定規を使うことは避けて手描きで。歪んだほうが良いという考えより、あえて歪ませるという発想が情感を深めるために大切。古い筆があれば自分で作れます。
竹ペンを使用するときはパレットや平面的な容器ではペン先にしか墨が付きませんので深い容器が必要。墨の場合は濃墨と淡墨二つあると便利。あらかじめ蓋つきの小瓶に溶いておく。
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海綿 |
天然のものが良い。 水分を取ることにも使うが、樹木や茂みなどが描ける。筆を加えすぎて見苦しい「水彩画らしい鮮やかさのない暗い汚れた状態」作品になったときなどは、流しで水をかけながら海綿でこすれば色を落とせて明るくなる。またテッシュや布で拭いて雲や水面などの白を抜く。
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筆○ |
水彩画用の筆以外に書道用の中筆があると、面相筆より細かい線が描ける。また先端が細いのでベタ塗りすれば木の葉などが描きやすい。
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水入れ○ |
大の水入れのなかに小の水入れを入れて使用。転倒しない容器を。
詳細は 水彩画教室
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DESKEL デスケル |
デスケールの枠内に風景や静物を収めてたり、バランスを取る道具。現場でのスケッチで使用。各Fサイズのものやデッサン用もある。価格¥500円前後
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練り消しゴム○ |
水彩画用で紙を痛めにくく叩いているだけで消える。普通の消しゴムでもOK。
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濡れ雑巾○ |
筆の水分を整えます。 |
水張り用パネル板 |
F6で1000円前後 |
水張りテープ |
ミューズテープ黒400円 |
ペーパーナイフ |
735円ブロック水彩画用紙に必要。剥がすためのナイフ
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ふき取りの布やテッシュ、綿棒 |
煙や霧などは布や海綿、テッシュで乾かないうちに押したりふき取るとよい。青空や水面のグラデーションをつくることも可能。失敗してもふき取れることを知っておく。細部は濡らした綿棒や筆の先で。紙質によりふき取り易いのとふき取り難い紙があるが、ナチュラルホワイトのような明るい紙質は綺麗に拭ける。水彩画用紙の個性
また森などを何度もふき取り塗り重ねを加えると面白い色合いがでる。
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ぼかしのガーゼ |
遠くの山や隅をぼかすときは塗らしたガーゼを硬く絞って指に巻いて押さえながら移動すると自在にできる。木漏れ日なども筆よりガーゼが早い。またウオッシュアンドウオッシュでも面白いぼけがでる。
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小道具 |
マスキング液を塗る爪楊枝、割り箸を加工したもの、 |
ピグマペン○ |
速乾性の水性ペン(黒色)があると便利です。
太さ0,1mm〜0,5mm。ペンで縁取りしても水彩画の特徴を損なわない彩色「爽やか」であれば良い。
しかしペンで描くということはペンの線で物の輪郭で取るために、形がはっきりしすぎるてイラストや漫画的になる恐れがある。なのでペンで輪郭を取ることを「説明の線」と呼ぶように、アート作品として仕上げるためには強弱などの工夫が必要。
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ネットの恩恵を受けるパソコン
重要 |
ネットの出始めのころ「世界中の美術館を家庭に持つようなもの」と言われていました。私も好きな絵画をパソコンのマイフォルダーに保存して模写などを通して参考にでき、また絵画教室のような基本を説明するサイトも多数あり、その恩恵は計り知れません。
私はpicasa3という画像編集ソフトを愛用していますが、マイフォルダに保管した写真ファイルを拡大写真にすると、そのつど「picasa3で編集する」ボタンが下部に現れて、クリックすれば起動して編集画面が現れ「シャドウ」を濃くして陰影をつけたり、モノクロ画面にしたりして作品のイマジネーションを高め、イメージ作りをしています。
picasa3 - Google 検索
また「絵画参考写真」というフオルダにさまざまなサブフオルダ「動物」「茅葺家」「人物」「車」などをつくり、関連写真を入れて絵画創作に利用しています。例えば農村の風景画に農婦が欲しい場合、裸婦に猫の組み合わせ、町並みの風景画に登校する子供や日傘をさす女性などを配する場合に、生活感がでて情感が深まります。
これは創作という観点から重要だと認識してください。この点はパソコンやネットはとても重宝です。
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木を見て森を見ず |
小さな部分にこだわると作品全体のイメージを損ないます。完成したら当初の概念からかけ離れたつまらない作品になる愚は往々に犯します。常に全体を意識して筆を使う。 |
写真からの摸写 |
写真から描くことに異論を唱える方がいます。写真からでは個性、表現が出せないという考え方ですが、果たしてそうでしょうか。
現場での写生でも単なる写生「コピー風景画」にならないことが大切ですが、ならば写真からの摸写も単なる摸写にならなければ良いわけで、屋外のスケッチとは違い陽が暮れませんので時間は十分あり、じっくり構想を練り水彩画の特徴を追求できます。現場の空気や気温などを頭に浮かべながら夕景、夜明けなども慌てることなく描けることは長所になります。
また絵画やArt創作の価値感、個性、感性にこうあるべきだという定型はありません。「踊り子」で有名なドガも当時出始めたカメラで動きのある対象を撮って描いたことは有名です。
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水彩の命とも言える爽やかな発色。 |
作品を濁らしていた以前は、早く描くこと「1時間半」で爽やかな発色を得ようとしましたが、濁らせないコツを知ってからは時間をかけて慎重に筆を運んでも、爽やかな余情を感じさせられるのではと、水彩画への考えを一部修正しました。
つまり水彩画の爽やかな特徴をもつ短時間で描かれたような作品も、その点をじっくり時間をかけて計算して描かれたものかも知れないと考えるのです。
あまり細密画にならないよう、くどくならないよう、水彩の特徴を殺さないように、構想を練りながら仕上げにもっていく楽しい時間帯は長くとも良いですね。!
屋外で短時間でさらっと描くのも良し、屋内で時間をかけて爽やかさを計画的に創り上げるのも良し。
後者は混色表を座右に置きます。混色で作られた色は既存色にない個性をもっていて、眺めていると見飽きません。「この色は風景画のこの辺りに使える」など楽しい空想に耽っています。
一部を彩色せずに鉛筆のデッサンした線をそのまま生かしたり、ぼかし、にじなどを試みるのも良いかもしれないが、絵画はあと一歩なんとかすれば自分のステージが高くなるという、常に一歩低い立場を意識することが、あと一歩という楽しみを継続できる上に向上する基本だと思います。
小技などは個人の好みがあり参考程度に眺めてください。
基本的には@画材の良否、A描こうとする対象が自分が創作してみたたい動機となる思想「モチーフ」に合っているかどうかの選択、B次にその題材をどのような構図「誇張や省略」や配色にするかの感覚の良否。Cそして偶然性の四点が合致することが大事だろうと考えます。「なかなか四つが合致しませんが、、、。」
そのなかで「画材の良否」を何番目に捉えるかは人それぞれでしょう。
私は筆類には拘りはありませんが紙、絵具については、小学生が図工の時間に使う画材とは明らかな違いがあり、向上心をもつて楽しむ方には中核に据えるものではないかなと思います。高価な紙は一枚500円以上しますが、発色がよくてどのような技にも耐える強さがある。水彩画紙の種類
色が黒く「濃い」なり過ぎたら水道水で流すのも良い方法です。乾いてから明るくなった部分を下地色として活かしながら、少し濃い目の絵具で濃淡をつけると作品が生き返ります。
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濃淡は筆を寝させる |
一番上は立てた筆で早く描く、次はゆっり描く。筆を立てれば濃く寝せ
れば薄くにじむ。筆の先端は濃く根本にいくに
従い薄くなるように絵具をつけ伸ばすように薄く付ける。
このような先が細い毛筆は太くも細くも描けて、水彩の特徴の濃淡が簡単
に描ける大変重宝な筆です。小技と彩色で取り上げた樹木の描き方、前後の関係の大半の技はこの筆です。濃淡を筆に作って筆を下向けて寝させ「前後の関係」の後の部分を、前の草木をなぞるように彩色する高度な技。詳細は 水彩画教室1
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その他 |
@知識や技術を身につけても納得できる作品は描けるとは限らない。私の場合は1/5ぐらい。
A面白くない作品を破って捨てることもせず、塩付のように保管していても無意味です。どこが気に入らないのかの、どこを直せば良くなるかが分からないことは気にすべきです。
水に絵具を流せるので原因を求めて修正すべきです。それでも直らない場合が多いが、そのときは画用紙の裏で描けば良い。良い画用紙なら充分に描けます。
B描き終わったら日にちを置いてチェックする。必ず補正部分が現れる。
C技術を知ることは大切だが技術に走り過ぎない。作品から余情と素朴さを失いつまらなくすることがある。以前は電柱などは手描きの味で歪んでいても良いと考えていたが、定規で線引きしても彩色で塗り残しや滲みを作れば手描きの味は出せると考えを一部修正。
D混色の色見本をつくり傍らに置く。
E物の影を黒で塗るのは間違い。そのものの色の濃い色を使う。黒を多様すると作品の清清しさが失われる。
F絵画について最近(2010.1)は少し認識を改めました。作品の美しさは美的感性だけでなく、混色などの色に対する専門的知識が必要で、言わば「色の技術者、色職人紙職人」の要素が大きいと感じました。
換言すれば色の知識をもてば、絵心がなくても美しい発色、色使いの水彩画が描けることになります。「全ての絵画の基本となるデッサンもコツさえつかめばできるから。デッサンの極意」
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基本的な混色 |
他の色と混色すると深みのある色が得られたり、既存色にない気の効いた色スパイスのような色で目立たせる。
@混色の割合=5-5,6-4.7-3.8-2.9-1.A水分の多い少ない割合
この2点により一対の混色により15種類の彩度明度の違うカラーができる。
詳細は「混色」へ。
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趣味人倶楽部の「楽しい水彩画」Q&A
汚くなることへの回答 |
私は自分のスキルを高めるためにはネットで収集したさまざまな作品をホルダーに保存しています。
「水彩画関連」⇒「水彩参考写真」⇒「人物」「花」「動物」「風景」等に分類して関連する写真を保存。
「水彩画関連」⇒「水彩参考作品⇒「人物」「花」「動物」「風景」等に分類して関連する水彩画を保存。
写真は描くときに「ここに人物が欲しい、ペットを加えたい」という目的。
作品は自分の好みの作風、タッチ、等の絵を参考にするために分類して保存。そこで収集した「花」を見ると、水彩画の特徴のある爽やかな作品が保存されている。「これは個々の人の好みによりますが」
個人的には水彩画の軽やかな作風が好きなので、この好みを前提にしてコメントをしていますので
ご承知おきください。
一つの方法としてGoogle画像検索で「水彩画 花」を検索すると相当な数の作品が現れます。個人で
楽しむ目的でPCに好きな作品を保存して活用できます。今私も見ましたが3枚ほどの好きな作品がありました。
また写生するときは100%の模写ではなく、意識的部分的に改善しないと重い画風になりがちです。
厚みのある葉と枯葉とは違いますが、添付画像は拙い花の作品です。一枚の葉にも微妙に濃淡明暗がありますので明るい色を下地に使って、その明を活かした変化を意識される。また太陽の明るさ陰影、室内なら電気にも陰影があり、そこで明暗をつければ作品に奥行や空間ができますね。
もう一つ、水彩画は水で流せるので一二度はやり直しが効きます。
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道具箱 |
小技が多い水彩画は小道具も多いことになります。昔は木の箱でしたが釣り具を分類して納める良い道具箱があります。中は4階層になり各層は仕切りもできて便利です。2000円前後
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絵画やホームページをつくる意義 |
「感動という言葉を長いこと感じたことがない。」と知人から聞いた時に、なんと気の毒な人だと思いました。自然を前にして絵に描きたくなるような景色とよく言いますが、何かに心を動かされて感動をする、その感動を伝えたい、ともに分かち合いたい、知ってほしいという気持ちで創作の筆を持つ行動ができれば、残された人生が豊かになることを確約します。
自然以外にも美術展の作品、奈良などの遺跡と歴史、スポーツの熱戦、映画小説、人の善意など感動は無数に存在しますが、自分の心に感動の泉を持つことは素晴らしいことです。なぜなら感動の対象「地球、社会、他人」を尊敬して愛することができるからです。そして自分も他人を感動させたい!、という日本人の美意識と向上心を持ち、学びすととして自らの人生に大きな変革をもたらすものだと考えます。
気にいった絵画作品があればそれを何回も模写したり、美術展に足を運んで自分の目を肥やして自身のステージを高める。スポーツやその他のアートでも同じですが、他人よりうまくなりたかったら自身のハードルを他人より高く設定する。
他人よりどれだけ厳しい目を自身の作品に向けられるかで、その人の力量が決まります。
うまく描くことより自分だけしか描けない絵を心掛ける。技術的に上手に描けても、その人なりの思想や個性が表現されていない作品は、芸術的にはあまり意味がありません。また仲間を作ってお互いに切磋琢磨しながら描いたり、そのグループの作品展を開くことなども励みになりますが一番大事なことは絵を描くことが楽しみになることでHPの創作も同じです。
例えば文化教室に通うことは仲間づくりに良いことですが、教室で描くだけの人「自宅で筆を持たない人」は習う意味がないように感じます(>_<)。自宅の台所に転がっている南瓜や茄子、庭の草花に絵心がもてないことは、教室を脱会したら絵画は終わりになります。人生を豊かにするためには心を動かす何か?健康や生命の尊さや自然の美しさを他人と共有したい、伝えたいと思うことが絵画創作の第一歩です。
この初めの一歩は100歩1.000歩に通じる人生を変えるほどの大きな一歩ですつまり自我を離れた外の世界に関心を持つことで、そうした世界を愛する「他者愛」心の「余裕」が得られます。家庭で持つ一本の筆「書画、詩吟、俳句、エッセイ、PC」は、大自然と連帯した大きな世界に通じているのです。
2008.5
他者愛や文化的感動は絵画のみならずすべての芸術「HPづくりも含む」的創作のエネルギー&目標になります。またこうした美意識は対極にある醜悪なものを嫌悪する意識を育て、「文化とは健全な社会の潤滑油」の一翼を担う意義を持つことです。
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2011.8.14 水彩画教室9回を経て なぜ水彩は難しいか? |
4月からスタートした4線描写を実践的に試す水彩教室は9回を数えました。
直近9回目の教室は4線描写と、りんごとナスの写生を題材とした。前者はモデリニアニの陰影のない平面的で地味な油絵による人物像、後者は光と影の陰影があり、丸み「立体感」、前後の関係、明るい色づかいな水彩表現などが求められる。
単純化された人物像は4線により短時間でデッサン完成です。彩色は塗り絵のように均一にベタ塗りすればよい。写生は前述したように難易度は相当高く、下手すればリンゴがトマトに化ける。
なぜ水彩画は難しいのか?。水彩画を趣味としようとする人が、この?を理解できる、できないはとても大切です。
油絵は塗り重ねることで重厚な絵を完成するが、水彩は紙の白さや明るい下地色を活かす塗り方が求められ、重ねながら創ることはできない。前者は修正が効き失敗作は少ないが、後者は修正がしにくく、ときには見るも無残な汚れた失敗作となる。模写においても前者はしやすく私も有名画家の油絵は多く模写したが、水彩の滲みやぼかし、たらし込み画法は偶然性があり模写は至難の業となる。
換言すると前者は技巧より感性が求められ、後者は水彩の知識と技術を習得した職人技である。従って職人技を身に付ければ爽やかな作品を描けるプロとして、技のない人には描けないような絵を描けると言えるだろう。もちろんそれに感性が加われば言うことはない。
技術の一つの筆を寝させた濃淡の筆づかい。まず筆に水分を含ませて淡色を筆になじませるように付けた後に、穂先に濃色を付けると、濃色⇒淡色⇒水、という自然な濃淡ができる。筆を立てると濃淡はでない。上記(濃淡は筆を寝させる)」の画像参照
細い太い、濃い薄い部分を持つ毛筆は、さまざまな部分で効果を発揮できます。
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2013.8人物デッサンの意義 |
学校の美術クラブにはどこにも人体の石膏が置いてありますが、その意味が最近に分かった。デッサンは基礎的な造形力をつけるために欠くことのできない題材です。学生が石膏人体のデッサンを繰り返ししていることは造形力を付けるために人体が最適だからです。
私たちの人の目は世界を空間、立体(三次元)で把握しています。りんごは丸いが人体はさまざまな形が混在している。その上角度を変えれば無数の新たな3次元の立体物がでてきます。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」は、透視図法をはじめ、各遠近法が用いられているそうです。頭部は球、腕、足、胴は緩やかな箱、円柱、円錐と、基礎形体に置き換えデッサンする事で、美しさを感じる三次元での表現力を身につけます。
言い換えれば人体が描ければ地球上のあらゆる形あるものが描けるのではないでしょうか。一番身近で気をつかわなくて良い題材、自画像を描いてみよう。対象をしっかりと観察し描写力や表現力の向上を図る必須の題材。。
3次元とは=我々が住
む世界、空間が縦・横・高さの3つ座標で表せるのは、この世界が3次元であるということに他ならない
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2014.1に縦横高さの3次元、立方体を意識することは、絵を描く上で最重要だということが、教室という現場で知ることができて詳細な新ページを立ち上げた。水彩画教室の課題
東西南北を感覚的に掴める人は道に迷うことは少ないように、縦横高さが理解できる四角い箱を、描こうとする物体に想定をして当てはめると、そのものの形が理解しやすくなる。
関連サイト デッサンの極意「石畳の方式」 |
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